オープンテック・ハウス入門
石山修武
 自分達の住み暮す環境は自分達で考え、作るべきだ、というのが私の考えの中心にあります。作るのはさて置いて、自分たちで考えてと言う、その考えについて述べてみたいと思います。当然現代における家づくりにはお金がかかります。この家作りに関するお金の情報が今はひどく不足しています。あるのは不透明な、私から言わせれば誤った、不条理な情報ばかりです。そこで、私はインターネットを使って家作り、身の廻りの環境づくり、庭づくり等の情報を作りだそうとしています。
 オープン・テック・ハウスというのはその為の道具です。考えるための道具なのです。具体物がないと人間の考えは抽象的で夢見がちなものになりがちです。それはあんまり合理的な事ではありません。オープンは開放すると言う事。テックは技術です。オープン・テックとは技術を開放するという意味です。
 開放すると言う以上、それは今、閉じられているという事です。技術が閉じられているというのはどういう事であるのか。それはこういう事なのです。
 技術はお金でやり取りされます。それは当然の事です。別の言い方をすれば技術は市場に流通しているのです。問題はその市場です。技術の価値を決定するのは市場ですから、市場そのものが合理的に作られていないと、技術は合理的に皆さんの手許に送り届けられません。私はここで技術と言うのは、皆さんに解りやすく言えば「家作り」そのものです。あらゆる家作りは色んな技術が集められてなされるものです。その根幹を成すのは情報です。技術、あるいは技術の成果は情報として市場に流されて初めて価値をもちます。
 インターネットの基本は情報を構成する市場の透明性を高くし得る可能性がある事です。情報を得たい人と情報を送りたい人の間に問屋も倉庫業も商社も介在しないと言うことです。つまり透明性の高い市場をインターネットは作り得るのです。
 私はここに私の技術を開放していこうと思っています。突きつめるところ技術は値段で評価されるものです。透明度が高いということは、要するに安価であることだと言い直す事もできます。

石山修武の住宅に関する著作を是非ご一読下さい
夢のまたゆめ 住宅道楽  住宅病はなおらない  秋葉原感覚 笑う住宅

オープンテック・ハウス

石山修武研究室
ISHIYAMA LABORATORY
(C) Osamu Ishiyama Laboratory ,1996-2003 all rights reserved

LOGO