ネパールの首都カトマンドゥを眺めおろすキルティプールの丘を調査し、丘のふもとのトリブバン大学、及び政府地方局とキルティプール再生計画を立ち上げようとしたら、ネパールに内乱が起きて、カトマンドゥには戒厳令がしかれ、四辻には戦車が現れ土塁の陰に機銃が見え隠れする如くになった。計画は休眠せざるを得なかった。

 今はミャンマーに内乱が起こった。十数年前、まだ少し計り物騒だったカンボジアのプノンペンで、ひろしまハウスの計画を立ち上げ、これは幸いにしてリアライズされた。同時にイラワジ河のほとりに「メディテーション・センター」建設計画を立て、その計画は「仏教大学」構想へと進行したのだが、この内乱だ。どうなる事か。

 中国では当初上海で同済大学、バウハウス建築大学と共催のワークショップを開催、上海から事を始めようとしたが、友人の李祖原が中国のセンターは北京だ、北京オリンピックだ、と言うので、共に北京に行った。幸い北京モルガン投資企業のオーナーと知己になり、オリンピックサイトの北京モルガン七星プラザでの李祖原仕事に参加した。私の役割は「日中友好のブリッジ計画」という何とも得体の知れぬもの。これも超スケールの騒動に巻き込まれ、工事がストップしたりしたが、李の建築の方はオリンピック前には完成するだろう。私の方の計画は少し遅れそうだ。でも、北京モルガンの中国人オーナーが言うように、全て「ノープロブレム」なのだ。少し遅れたってそれがどうなんだ、万里の長城を見よと、中国風に思うようになってしまった。
 ついでにオーナーに万里の長城、西山間近に、東アジア環境投資センターをプレゼンテーションする事とした。中国では小さな話は通じ難い。大きい話を大きい相手にする必要だけがある。

 十月の末からは、メキシコ、チリに出かける。メキシコはラテンアメリカオリンピックのまだ良く解らぬ話し。チリは石山研のチリ人建築家との共同で、チリ建国二百年プロジェクトをやろうという話しである。
 ラテンアメリカもおもしろい。アジア同様に面白い。何が起きるか解らぬ歴史がある。

「アジアでのいくつかのプロジェクト」

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