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開放系デザインスタディ.1
軽井沢の国道沿いに建てられる建築のスタディである。開放系技術という考えをベースにした建築は幾つか試みた。社会的産物である技術を基盤に建築デザインはなされる。それが絵や彫刻とは少々異なる。最近では映像美術やテクノロジーが主題となった環境彫刻の如き分野も出現してはいるが、人間の生活とは縁遠い。
スタッフには出来るだけ建築的造形から離れろ、自由に、でたらめを演技しろ、しかも同時に値段を工芸的なモノの水準におとしめるなとおおまかな指示だけを与えた。その指示は繰り返し、繰り返ししなくてはならないだろうが、本当に自由な不ぞろいくらい困難なものは無いのだと実験してまで示したのは音楽家の高橋悠治(二〇〇〇年佐賀・早稲田バウハウス、スクール講義)だけれど、何が出てくるかお楽しみに。
石山修武
スタッフの壁新聞を読んで変更をオーダーする。読者の眼はこえているからな。壁新聞を、基礎スタディ・ドキュメントに。それぞれを切断、吸収、変形のスタディとする。皆、ある種の運動を表示している。
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