修験道研究
大学院修了後、信濃の地方紙で新聞記者になる事が決まった。南、北、中央アルプスの峰々が連なる信州を舞台に、宗教記者を志すいちジャーナリストとして修験道の研究をおこなう。 神道や密教、日本古来の原始山岳信仰をもとにした修験道の研究をとおして、建築の核心に離れがたく存在する宗教とそこに見える風景を明らかにする。
まず、「はじめに」となる序章を書き、スタート地点を固めること。 論文のはじまりは、堀口捨己の三仏寺エッセーからはいるのがよい。美学に行き当たり、分離派として生きた堀口の日本回帰とは何なのか。なぜ堀口が三仏寺(修験道)を論説したのか。 修験道から論文を展開し、現在の日本の風景へとつながるものが結語として描けるように導くこと。 修士論文ではあくまで修験道という巨大な体系の外堀から埋めていく。現存する文献のうち誰が何を書いたかを調べ(和歌森太郎、網野善彦、山岸常人など)、研究に先立ちその中からどの文献を選び出すべきかをまず考えねばならない。あくまで30代40代につながる研究対象として修験道をとらえること。修士論文の位置付けはその入り口に過ぎない。ジャーナリストとして広く、長いスパンでものを捉える必要がある。
グローバリズムにおける土地・建物売買に関する研究 建築グローバリズムに対する現況の悲観的状況を、過去・現在・未来の歴史的側面、価格・資産体系に見られる建築不動産としての金融的側面という二つの側面から考察する。権力の周辺をめぐる建築とお金に代表される昨今の土地建物売買を社会経済学的に捉える。
例えば江戸時代に土地売買はあったのか?荘園制度における平安貴族の収入はどうなっていたのか?などを入り口に、歴史における土地売買の問題を考えながら「不動産ビジネス史」をテーマにしてはどうか。
東京(庭園)計画2009 東京を、私たちが日常的に深く影響されているいくつかの考え方の反映されたフィールドであると見なす。いくつかの考え方を具体的なクライアント(例えば鉄道会社、ハウスメーカー、ディベロッパーなど)に対応させて、既存のフィールドを微調整するような5つの庭園をクライアント別に計画する。
世界はこれからヨーロッパ追従になっていくと思うが、それはヨーロッパの国土が公園化されているという点において。アメリカや日本にはそれがないから酷い事になっている。庭園という言葉が良いかどうかはわからないが、庭園計画はビジネスモデル足りうるのか、つまり風景は価値を生むのかという、計画の概念モデルの設計から考え始めるとよい。
テンポラリーシアターの可能性 ダンスは人間の初源的な表現欲求のひとつであろう。一遍上人絵巻(1299)の中で踊り屋という小屋が登場する。一遍上人と仲間達が念仏踊りを踊る仮小屋である。一遍上人絵巻をテキストにして、東京を敷地に複数のテンポラリーな舞台を考えたい。
一遍上人絵巻だけでなくいくつかのシナリオ(例:ええじゃないか、映像シアター等)をモデルにある場所を想定して総合的表現のビエンナーレ会場を企画してはどうか。テンポラリーなアートフィールドの設計。既存の川や建物を組み込んでまちのスケールで五つくらいの使い方を示せると良い。
複数国家間を巡回するイベント会場モデルの計画 世界の断片を蒐集することやそれによって新しい美の価値体系ができていくことなどに関心を持って、美術館の在り方に注目した。コレクションという概念を通して、現代の美術マーケットの舞台ともなる美術品の収蔵ー展示の拠点を考える。例えば大きな船を取り込むなどして、テンンポラリーな場面の集積となるような現われ方をするイメージ。
吉阪隆正が朝鮮半島を中心に日本海が内海になるように描いた地図をベースに、日本海側のいくつかの都市と韓国、北朝鮮、中国、ロシア各都市を巡回する船を使ったイベント会場の企画・設計をしてみてはどうか。複数国にまたがる計画である事を要点とし、全体のマスタープランを考える事から始める。