第一便
日本生活学会町づくり部会は、町づくり支援センターを設立しました。
日本あるいは世界各地の、すぐれた生活用品等を販売します。
利潤追求しますが、それだけには終わらせません。
現実とはチョッとズレた価値観を持つマーケットを作りたいと考えます。
伊豆松埼町のオリーブ茶をはじまりの一歩とします。
せっかくの、はじまりの一歩ですから、何かことさらなこともしてみよう
と考えました。それで、ささやかな物語りを皆さんにお送りします。物語
り付宅急便だと考えてくださると気が楽です。
物語りの作者は、覚和歌子さん、淡路島在住の詩人です。お年は八十を
越えたでしょうか。くわしくは風の便りでも届きません。
松崎町には昭和五年七月に、詩人の野口雨情が訪ねています。
小さな作品も残しました。婆沙羅峠を越えた松崎の入口にその童謡碑が
残っています。
松沢雪松師の紹介状を持ち、背山居酔星のもとに滞在しました。
覚さんは、その酔星と良く夢で会うと言います。
野口雨情の話しも、聞いた気がすると言うのです。
そんな縁で、松崎の物語りを書いてくれました。前編、後編に分かれます。
オリーブ茶を買っていただくと、キチンと後編が届く仕組みです。
我ながら、流石と思います。これでは、買わずにはいられません。
また、こんな風に価値あるモノを売って欲しい、売るべきだというお考え
があれば、お知らせください。考えが合えば、すぐに対応します。
しかし、先のことは言わぬが花です。
正直なところ、どれ程のことができるのか予測も、目処も何もありません。
だから、やります。
次回は、仙台の結城登美雄さんのご紹介で
仙台城下町以来の最後の桶職人、高橋長三郎さん、通称「桶長さん」の
さわら桶を販売リストに加えます。お待ちください。
一九九四年 夏 町づくり支援センター代表 石山修武