まちづくり支援センター

第十二便


ご挨拶・十二

たこと呼ばれる好人物が小豆島にいます。柳生好彦さんです。赤みを帯びた丸顔でまさにたことしか呼びようのない顔と姿をしています。会えば誰もがナルホドとうなるでしょう。でも手足はそれぞれ二つずつで吸盤はありません。小豆島で代々の店柳生屋の五代目当主です。
小豆島は工−ゲ海に浮かぶギリシャのミロス島と姉妹島になっています。豊かな光に恵まれた島です。柳生さんとは仕事で知り合いになって一緒にギリシャまででかけました。
商売熱心な人でしかもまちがいの無い人物です。ギリシャとの友好に入れ込んだ挙句にギリシャ産のオリーブオイルまで販売し始めました。わたしはそれには関心がありません。
ところがとうとうやり遂げたのです。小豆島産のオリーブから小豆島オリジナルなオリーブオイルを作りあげて商品として完成させました。得も言えぬ懐かしい味がいたします。本来懐かしいものである筈が無いのに、懐かしいのです。オフクロの味オリーブオイルなのです。ほんとかネと思って御注文下さい。

オフクロの味と言えば、みそ、醤油です。
醤油は同じ柳生さんの、杉樽で一年かけて天然醸造した島の醤油と漁師さんの醤油の二種類をおすすめします。

オリーブと言えば当然伊豆松崎町を忘れてもらっては困ります。盛夏、キリキリと冷やした松埼町特産オリーブ茶のゴクリはまさに天下一品です。愛用して下さる方も増える一方です。お仲間にどうぞ。

みそは苦労してオリジナルを作りだしました。まちづくり支援センター自信の作です。東京千駄ケ谷豊かの手になる「みそのみそ・黒豆編」です。豊かのオヤジも寄る年波には勝てません。九州に隠居したいなどと弱気になる尻を蹴りあげて作りました。みその傑作です。九州の麦みそにめずらしい信州の黒豆麹をあわせて熟成させたものです。小豆島のオリーブ油をパンに塗って食べたアトに松崎町のオリーブ茶を冷やして飲むのと同じことでしょうか。このみそは深みとこくと甘みに特徴があります。この味がわかる人間はそれだけで実ニ、それだけのことなのです。あえものに最適で、くれぐれもみそ汁にはつかわないで下さい。それでは贅沢がすぎるというものです。

そうめんの季節です。九州佐賀、神埼町の「神の白糸」そうめんを思い出して下さい。また、あんまり楚々とした美人の味は俺には上品すぎると言う人には、再び柳生さんの小豆島産・オリーブオイル特別仕立ての手延べそうめんもおすすめします。スルスルと流しこむと一瞬エーゲ海の青が眠に浮かびます。もちろん、浮かばぬ人もいますけれど。

北海道,帯広市の北海点字図書館副館長後藤健市さんから点字プレートのおすすめをいただきました。「ひとりでも多くの方にこの点字プレートを持っていただき、日本中の人が自分の名前の点字を覚えてくれたなら、そこにはきっと素敵な社会が築かれると思います。」とありました。「中学生や高校生が点字プレートを持ち歩き、福祉を意識せずに楽しみながら遊び感覚で点字を打つ。そんなところからノーマライゼーションが育っていくのだと思います。」とも言っています。
ナルホドと思いました。無理は申しませんが関心のある方は声をかけて下さい。

わたしたちのDMもようやく十二便目にたどりつきました。ヤットというのが本音ですが弱音は吐きますまい。ますますの御支援をお願いいたします。
暑中御見舞に代えさせていただきます。

一九九七年 夏 まちづくり支援センター 石山修武


ご挨拶・十一|ご挨拶・十三

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