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石山修武研究室 FAX :03-3209-8944
RはRE BirthのRです。再生出発って事。いつもやってることです。
世田谷村の玄関を入った所に、広島の木本一之さん制作の「立ち上がる伽藍」がうっすらとほこりをかぶって在る。
わたしと木本さんの協同第何作目になるのか、知らぬが、純粋形態を追い求めたモノとしては初の作品である。
愛着があるので身近に置いているのだけれど、いつかは手離れさせなくてはならない。でも、何となく今のマンマではいけない。どうもうまくいかないところが在るようだと思い続けている。
建築は作り直す事ができない。一回切りのチャンスに全てを投入せざるを得ない。しかし、こういう純粋立体とでも呼ぶべきモノ、しかも自分の手許に置いてあるモノはいくらでも手直しが可能である。
三球四脚と呼ぶ椅子を作り上げた後、この「立ち上がる伽藍」をどう作り直したら良いのかのアイディアが生まれてくれた。
木本さんに連絡して、一部を切断し、木製の脚を接続して新しいモノとして再生させてみる。
2010.06.15 現在、試作中
脚木球シリーズは石山及び考え方に賛同して下さるデザイナー、設計者、アーティストそして職人さん達が作ろうとしているゆるい集団の眼に視えやすいサンプルとして作り始めました。又、ネットを介して皆さんの手に渡してゆこうと考えています。
ウーンと古くは石山が試みて続けてきたD-D通信、その発展型であった町づくり支援センターの諸活動、最近ではA-3ワークショップ、そして早稲田バウハウスワークショップの流れに逆行する事ができます。
別に小じんまりとした家具、しかも椅子という定番から再始動させなくとも良かったのですが、実は椅子のデザイン製作には幾度も失敗を重ねてきたのです。しなくても良いような失敗もありました。全てが経験として生かされているとは決して言えない。
でも、この愚鈍な繰り返し、繰り返しの再挑戦は自分で自分が信用出来るほぼ唯一の事かも知れない。
実はこの脚木球の形のイメージは二〇〇八年の世田谷美術館での展覧会で、木本一之さんと共同して作った「立ち上る伽藍」という名を付けたオブジェクトがオリジナルです。木本さんとの鉄を介した協同を今度は市根井さんの木を介してやり直してみました。
最近はわたしのホームページの読者が少し増えているのです。石の上にも三年どころかサイト流して10年以上になりますから、その御ほうびかも知れない。それに力を得て、再びこんな事を再び始めてみたのです。登場人物も、モノの考え方も十年昔と変りはない。しかし、その我々と皆さんを結ぶ情報の回路が画然と革命的に変化しました。
今日呼吸を続けるように、モノを作っている。その息遣いのようなモノ、空気が皆さんの手許に届けばそれで良ろしい。まずはですね。
次に参加を呼びかけたいと思います。小さな運動に参加して頂くのも良し、小さなモノを買って下さるのも、それはそれで良い。
六月十六日
石山修武