Matsuzaki Onsen Museum : the Osawa Onsen Tales
osawa-anecdote
Iwachi Matsuzaki  birds Onsen House
Iwachi Yodanosho Osawa Onsen Onsen House Onsen House
伊豆西海岸松崎町岩地集落 :松崎町のまちづくり

 伊豆西海岸松崎町岩地集落を六千米の高度から撮った航空写真を大事に持っていた。今ならばグーグルで簡単に得られるものかも知れない。しかし、それだからこそこの写真はなおさら貴重なものになった。
 JASの羽田ー高松便だったかに乗ると、飛行機は西伊豆の松崎町西伊豆の松崎町上空を飛ぶ。松崎町牛原山に航空機管制施設が設けられているからだ。岩地集落は約百五十軒ほどの家屋がある。その屋根の色を黄色系に塗れないかの相談は、元町長であった依田敬一から受けた。西伊豆は、伊豆・箱根国立公園のエリアであるから景観条例があり、赤、青、黄色の原色を使う事は禁じられている。しかし、多くの商業施設はケバケバしい看板その他を掲げ続けており、この条例は基本的にはザル法である。抜け道だらけなのだ。依田敬一はそれを知りながら、なんとかならないのかと強く言った。黄色系がどうしても良いのだと言い張った。
「東洋のコートダジュールと呼ばれるようになるぞ」
と彼は目を輝かせた。私はこれはチョッと怪しいなと眼を伏せた。
「モノトーンに静かにまとめるのが常識だが、それでは五〇%を民宿が占める、岩地の衆の生活の足しにはならないのだ」
つまり、依田は集落の屋根の黄色を宣伝・広告・メディアとして考えようとした風がある。
 私は依田敬一に言われて、色んな色彩を検討した。そして、航空路が真上を飛ぶのを知って、ここに黄色の巨大な鳥を出現させようと試みた。岩地集落は鳥が羽を広げたような地勢を持つから、黄色の色付けが上手くゆけば自然にそうなるだろうと思ったのだ。黄色は“うこん”色になった。幾つかのグラデーションも用意された。もう一息のところでうこんの巨大鳥が岩地に出現するところまでは、こぎつけた。もう四半世紀も昔のことだ。依田敬一も世を去り、岩地は穏やかに静まり返り、町供給のペンキの屋根も錆が浮き、鳥は飛ばなかった。今度、依田博之の依頼で松崎町温泉ホテルの仕事を始める事になった。あの、飛ばなかった、うこんの鳥を何とか飛ばしたいと考え込んでいる。
 静まり返った、松崎町伊豆西海岸に、夕陽に輝くうこんの、黄金の鳥を飛ばそうとする

Matsuzaki Onsen Museum : Aesthetic 美 Iwachi
伊豆の長八美術館付属カフェ、カサ・エストレリータの鏡面には色光が浮かびます。色光は西に高く掲げられた鉄塔のフラッグから射し込みます。ブルーのイスラミック・タイルの中庭に立つと、外尾悦郎の彫刻と共に、その色光は万華鏡の変転万化のような効果をつくり出し、重い建築を違う世界へと移動させるように思えるでしょう。
Onsen House
大沢温泉の新しい湯屋の屋根にもカサ・エストレリータのフラッグ状の Media が映し出される筈です。そのメディアこそが、この小建築の性格、すなわち新しい機能です。
Onsen House
湯屋への長いアプローチにも重要な仕掛が施されていきます。大沢温泉ホテルは旧い歴史と現代のメディアが交差する十字路になるでしょう。
One Sheet Bamboo Gallery
: Technology 技術

「照明器具から始まった竹の造形」 渡辺大志

Matsuzaki Onsen Museum : Osawa Onsen
Yodanosho Osawa Onsen
Osawa Onsen
伊豆松崎町依田之圧大沢温泉プロジェクト

 西伊豆松崎町大沢温泉ホテルは先代依田敬一氏が心血を注ぎ、三〇〇年の歴史を持つ屋敷を再生させた国際観光ホテルです。次代の依田博之氏より依頼があり、再びその再生に取り組む事になりました。
 これまで大湯屋前のテラス、そして日本庭園の土塁などを手掛けてきました。ホテル玄関脇の重要な場所に新しい温泉棟の設計をすすめています。又、同時に小ギャラリーを開設する提案もする積りです。その一部始終をサイトに公開します。私共の研究室としては初めての「和」との対面です。
 先代依田敬一氏は松崎町長時代は私の町づくりの師でもあり、沢山の教えを受けました。次代はそれを更に乗り超えたいの考えを持っている様です。幾つかの案を作っては壊してきましたが、ようやくにしてまとまりそうですので、大沢温泉の新しい楽しみ方も含めて御紹介してゆく予定です。プロジェクトの進行過程を知っていただくと、大沢温泉ホテルの楽しみ方も倍増するに違いありません。

大沢温泉秘話

the pillar of the ONSEN house : Aesthetic Matsuzaki Onsen
温泉棟のほぼ中心にはこの樹木を据えます。天竜の楠の木です。この樹木の生命感を頼りに、温泉の湧き出し口、その他を配置します。
the way to Matsuzaki : Document Matsuzaki Onsen
このプロジェクトの主題は「和風」です。しかし、それはスタイル、材料の和とは少し違います。和の美には、動き速力のあるものが少ないと考えます。それで、動きのある、生命力のある美を作り出そうと試みています。
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