008
開放系デザインスタディ .2
ドローイングに描いたのは九州のO邸の考え方だった。この考えは同時に進行している軽井沢S邸にも通じている。住宅の設計は設備設計の比重が極めて大きくなっている。クライアントの知識量も馬鹿に出来ぬ位に大きい。
将来は増々そうなるだろう。
現代日本の住宅デザインが殆どノーデザインの域まで辿り着いているのは、その、設備の進化、予算の増大の結果でもある。
それは受け入れざるを得ない。時代と逆方向に走っても、困難ばかりに突き当たる。
一.住宅、建築をより設備化、装置化、すなわち、ロボット化する。
二.空間らしきも装置化してしまう。
すなわち、フレキシブルなパッケージとして扱う。
三.デザインに設備と同様に、これまでとは別機能を与える。これは、建築が一品生産である事を止めぬ限り、宿命的に負わなければならぬ、土地との関係を重視する事につながる。
社会的にはこの三つの方法しかあり得ない。
三つの方法の組み合わせがデザインという事になるだろう。
軽井沢のS邸は三番目の方法を軸にすすめている。
石山修武
週刊建築沙門堂
週刊建築に壁新聞をつくってみた。どう読んでいただいたのかはわからないが、最初の一投はまあいわば挫折した。スタッフもまだまだ若い。それでも試みとしてはまだ、いじりようがあると考えて、だから週刊建築沙門堂として続けてみることにした。若い建築沙弥・沙弥尼の修練のようなものであるから、その様を見守ってやってください。 編集人 丹羽太一
→週刊建築沙門堂
|