東日本大震災で被災した気仙沼・唐桑の復幸を願い、「唐桑七福神」タオルを販売致します。詳しくは下記を御覧ください。
フェイスタオル(33cm×90cm)3枚セット:3,300 円(予定価格)
2013 年7 月中旬より気仙沼・唐桑から発送開始予定。
先行予約を受付いたします。下記連絡先までお問い合わせ下さい。
石山修武研究室
TEL: 03-3209-2278
FAX: 03-3209-8944
E-mail: ishiyamalab@ishiyama.arch.waseda.ac.jp
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東日本大震災・気仙沼復幸祈念 唐桑七福神 タオルお中元セット/について
1988年から6年間石山研究室は現気仙沼市唐桑の唐桑臨海劇場に参加した。現気仙沼市唐桑とわざわざ書くのは、当時は唐桑は唐桑町として独立していたからである。唐桑臨海劇場についての詳細は述べぬ。唐桑町の歯科医であった佐藤和則が中心になって主催した手作りの劇場作りを核とする町づくり運動であった。この運動を介して佐藤和則は後に唐桑町長となった。我々は臨海劇場の会場設計を担当し、時に建設の手伝いも共にした。
まだ若かったブティック鈴木もその運動の渦中の人物であった。温厚な人柄で、常に人の輪の要になっていた。目立たぬように自分をいつも他人、つまり仲間(コミュニティ)の中に融け込ませているような、そんな男であった。ブティック鈴木とみんなが、わたくしまでもが呼んだのは、彼が唐桑小鯖湾の小集落で小さな洋品店を営んでいたからだ。
2011年3月11日の大津波はその洋品店も何もかも押し流した。幸い、年老いた母をようよう連れて彼は山へ逃げた。
でも何もかも失った。
先日、その鈴木茂に唐桑で再会した。昔のように穏やかな笑みを浮かべていた。しかし、少しやせて、笑みの裏にいささかの憔悴が視えた。
「こりゃあ、いかん。」
と直観した。小鯖集落は大津波に洗い流された、そのまんまである。いかん、と思ったと偉そうに言うが、彼の憔悴の現実は東京の人間には実は、いか程にもわかりようがない。それは重々、身にしみている。
でも、何か力を出さねば、それこそイカンと思ってしまった。
「仲間がみんな良くならなければ、俺だけでは、、、」と、相も変わらず言い張る彼をようやく口説いて、流されて、姿形も視えぬ鈴木商店の、いささかのお手伝いをしたい。
彼は唐桑コミュニティ、いい格好すれば、唐桑スピリッツの密やかな核心の性根を持つ人物だ。復興気仙沼・唐桑には欠かせぬ人間なのだ。コンクリートの大堤防を作る、その前にコミュニティの核心であるべき人間の魂に、少し計りの灯が燃えて欲しい。少しやせたブティック鈴木の、それでも絶やさぬ笑みに会って、心底そう思った。
それで、彼の為に、ひいては津波で無茶苦茶に破壊され、流されてしまった集落の、たった一つの商店の商売の手伝いをしたい。唐桑半島は、それはそれは美しい処である。人の心も、自然も。神様が守り、共にいた筈のところだ。
唐桑七福神については、又、少し述べたいが、今日のところはこれ迄としたい。
皆さんのお力を再びいただきたい。気仙沼・唐桑の復興を祈る絵葉書販売では随分力をいただいた。そのお金の一部は直接、唐桑の子供たちの某かのために使われているようだ。ほんのチョッピリ力になれて、ありがたい事である。
が、しかし復興は遠い!のが現実だ。
今一度、気仙沼唐桑の、小鯖にあった鈴木商店の復興のために力を貸して下さい。我々が鈴木さんと共に考案デザインし、鈴木商店製作のタオルセットを是非とも使っていただきたい。
2013年5月24日、早朝、石山修武